2024年10月09日(水)
- PSIM Cafe
PMSM(FluxMotor)モデルの使用方法(空間高調波を考慮したモータモデル)
PSIM Ver.2023から追加されたチュートリアル「Tutorial – How to Generate LuTs for PMSM (Flux and FluxMotor) Models.pdf」の一部の日本語版です。
このチュートリアルはPSIMのVer.2023以降をインストールして起動すると
メニューのヘルプ→チュートリアルから開くことができます。ご興味のある方はご参照ください。(ドキュメントは英語です)
このチュートリアルでは電磁界解析ソフトFluxの他、簡易的にモータ設計を行うことができるFlux Motorを使った解析方法をご紹介していますが、
ここではFlux Motorを使った例をご紹介します。
Altair UnitsのPSIMをご利用のお客様で21ユニット以上所有している場合は同様にシミュレーションを行うことができますので、ご興味があればぜひお試しください。
FluxMotorのインストール方法はこちらをご参照ください。
使用したPSIMのバージョン:2024.1
使用したFluxMotorのバージョン:2024
1.モータ情報(LuTファイル)を生成する
まず、モータの情報を生成します。
LuTファイルはFluxやFlux Motorから出力されるテーブルファイルです。
Flux Motorを起動し、チュートリアル通りに「モータカタログ」を開き、Nissan_Leafのモデルを開きます。
リネームをして保存するとMotor Factoryが開きます。
チュートリアルを見ながら値を設定します。
「Max. line current, rms(A)」は「Max. current dents,rms(A/mm2)」をクリックすると表示されます。
「No. comp. for Jd, Jq」や 「No. comp. for speed」は+マークを押すと表示されます。
Flux Motor2023から角度依存の磁束の情報を考慮することができるようになりました。
空間高調波を考慮する場合は「Rotor position dependency」を「Yes」にします。※「Rotor position dependency」を「Yes」にするとTESTに実行時間がかかります。
Rotor initial position(deg)の横の丸をクリックして「Auto」から0.0にします。
熱の情報を入力し、テストを開始します。+ボタンを押しているとテストの開始ボタンが下にずれてしまうので、スクロールするとでてきます。
次にLUTファイルをエクスポートします。
EXPORT→LUTとクリックしたあと、2.TEST CONFIGURATION でImportをクリックします。
Importをクリックすると下記のようなウィンドウが出るので「Test selection」をクリックしてチェックマークをクリックします。
これでTESTの結果がインポートされます
ファイルの保存場所、フォーマットなどを選択してエクスポートします。
設定したファイル保存場所に「LUT」フォルダが生成され、「MAT_PSIM」フォルダの中にlut_maps.matが生成されました。
これでLUTファイルが生成できました。
2.PSIMで動作確認する
PSIMの回路にPMSM(FluxMotor)の素子を置きます。 抵抗と回転数負荷をつなぎ、一定回転数(1000rpm)でモータを回し、誘起電圧を測定する回路を作成しました。
シミュレーションの結果は以下のようになりました。Vaが相電圧、Vabが線間電圧です。
空間高調波が考慮された誘起電圧を確認することができます。
PSIMの理想のモータモデル(PMSM)と比べてみるとこのようになります。
(赤がFluxMotorのモデル、青がPSIMの理想モータです)
Altair UnitsのPSIMをご利用のお客様で21ユニット以上所有している場合は同様にシミュレーションを行うことができます!
ご興味があればぜひお試しください。