2017年12月14日(木)
- PSIM Cafe
MOSFETやダイオードに流れる微小電流
ダイオードやMOSFETをご利用の際、使用条件によって
「意図していない微小電流が流れている」とご相談頂くことがあります。
今回はこの現象についてご説明します。
ダイオードやMOSFETなどのスイッチングデバイスの理想の動作としてはON時は抵抗0、OFF時は抵抗無限大です。
ですが、現実的に抵抗無限大に設定することはできないため、
PSIMでは「オフ抵抗」として10MΩの抵抗が並列に接続されています。
簡単なダイオードを使用した回路を見てみます。
この回路の場合、抵抗に流れる電流は下記のような波形になります。
ですが、負荷抵抗を大きくした場合(今回は1MΩ)は回路と波形は下記のようになります。
ダイオードがオフの時に少し電流が流れている様に見えます。
この時、実際の回路はダイオードの所に抵抗が入っているので、こんな回路になっています。
本来は負荷抵抗に対してオフ抵抗のほうが十分大きいことを想定し、オフ時はオン時に比べて電流がほとんど流れない状況になります。
しかし、この状態では負荷抵抗とオフ抵抗の抵抗差が少ないためオフ時も電流が流れているように見えてしまいます。
オフ抵抗を大きくしたい場合、下記のようにダイオードに対して
並列に抵抗を接続し、オフ抵抗として使用したい抵抗の値を入力しておくと自動的にオフ抵抗として認識します。
上記回路を実行してみると下記のように理想通りの波形になっていることがわかります。
ただし、これはダイオードの両端に何も他の素子を繋がないで抵抗を並列に繋ぐ必要があります。
下記のように他の素子を繋いでしまうと「オフ抵抗としては10MΩ、
その外側に更に1GΩの抵抗が接続されている回路」として認識してしまいますのでご注意ください。
以上です!ご理解いただけたでしょうか?
回路のインピーダンスが大きいときなどはぜひご活用ください。