2018年01月11日(木)
- PSIM Cafe
回路にグランドがないとどうなる?
回路上にグランド(基準電位)がないとどうなるのでしょうか?
PSIMでは回路上にグランドを置いていなくてもシミュレーションを行うことはできます。
ですが、操作についてお伝えする時、「必ず回路上に1つはグランドを置くようにしてください」とお伝えしています。
これはなぜでしょうか?
グランドがないとどんな影響があるのかをご説明します。
サンプルとしてシンプルなLR回路を見てみます。
グランドを設置しない回路と設置した回路の、抵抗にかかる電圧を比べてしてみたいと思います。
回路としては下記の回路図で確認してみます。
この波形を見てみます。
赤い波形が上のグランドを設置していない回路、
青い波形が下のグランドを設置した回路の波形です。
グランドを設置していない回路の電圧は正しく出ていないように見えます。
これについてはグランドを設置していないことによる影響だけとは言えず、
1端子のプローブを使用していることも1つの原因です。
1端子のプローブは基準電位とプローブが接続されている点との電位差を
出力するプローブなので、基準電位がない回路に使用すると
どこを見ているのかわからない状態になります。
2端子の電圧プローブを使用すると、接続している2点間の電位差を見ますので
基準電位を置いた1端子のプローブを接続している回路の結果と
同じ結果を確認することができます。
しかし、1端子のプローブは接続が簡単なので使用する方も多いと思いますし、
基準電位を設置していれば1端子でも2端子でも結果は変わらないので
習慣として設置するようにしたほうが良いと思います。
また、グランドがないと回路の解析結果が安定しないこともあります。
シミュレーションするたびに結果が変わっているように見えたり、
本来同じ結果になる2つの回路の結果が違って見える場合もあります。
回路の挙動がどうもおかしい…と思ったときには
是非一度グランドがちゃんと接続されているかどうかをご確認ください。