系統連系規定のFRT要件への適用
本記事ではPCS(パワーコンディショナ)やUPS、V2Gシステム、V2Hシステムなどの系統接続機器に対し、系統連系規定のFRT要件の検証をTyphoonHILを用いてシミュレーション可能であることを示します。
FRT要件項目の実装例として電圧低下時と周波数変動時の試験項目がありますが、本記事では電圧低下時のシミュレーションをご紹介します。
系統電圧を対象に、HIL APIを用いてリアルタイムシミュレーション中に変化を生じさせます。HIL APIはユーザーが使用することが出来る専用のPythonの関数となります。
その際のインバータの波形挙動を取得します。負荷側はY結線の三相電圧とします。
三相短絡時
三相短絡時拡大(全相が20%まで1sec間電圧が低下。A相0°基準で電圧低下を開始。)
二相短絡時
二相短絡時拡大(B相-C相の線間電圧が20%まで1sec間電圧が低下。A相0°基準で電圧低下を開始。)
以上より、FRT要件の電圧低下時のシミュレーションをTyphoonHILを用いて実行可能であることを示しました。
同様に周波数変動(系統周波数のステップ変化とランプ変化)を実装することも可能です。
TyphoonHILとユーザー様の制御基板を接続いただくことで、実機の交流電源などの系統連系試験機でテストしていただく前にHIL上で系統連系の検証を行うことが出来ます。
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この製品に関する
よくあるご質問
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HILSと実機はどの程度違うの?
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時間分解能が限られるため、全てにおいて実機を模擬するということではございません。
制御の検証がHILSの用途のメインのため、実機の損失やパワー半導体の過度現象などを確認されたい用途にはあまり向いていません。
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ミニモデルがあるからHILSは要らないですよね?
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HILSがあった方が効率的で様々なリスクが低いです。
1.評価の効率性
ミニモデルは効率が悪い(実試験準備必要)
HILSは信号のみの配線のため効率が良い。
2.柔軟性
ミニモデルは実機のため、破壊を伴う。
過負荷、短絡といった試験は出来ない。
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