2024年12月25日(水)
- Typhoon HIL
- インタビュー
Typhoon HILユーザー事例(汎用インバータ)
モーション事業部
(左から)月岡 祐太さん、平良 陽祐さん
モーション事業部にて Typhoon HIL を活用中の平良さん、月岡さんにインタビューを行いました。
-ご担当されている業務内容を教えてください。
平良さん:
モータ評価装置の製造・販売が主な業務です。モータ評価装置は、モータの性能を評価するための装置であり、弊社では製造から販売までを手がけています。
-HILSというツールを知っていましたか。
平良さん:
もともと、モータ評価装置をご利用いただいているお客様が HILS を使っていたので、以前から存在は知っていました。
過去の受託案件でも HILS と連動したシステムに対応したことがあります。
-HILS を導入する前に抱えていた課題を教えてください。
平良さん:
制御のデバッグはモータ評価装置の実機がないと対応できないという問題がありました。
実機を用いたデバッグには、時間や場所、人員など多くのリソースが必要です。
そのため、納期を長めに設定したり、実際にデバッグを始めるまでに 2~3 日ほど準備期間が必要なこともありました。
-HILS を導入することで課題は解決しましたか。
平良さん:
大幅に解決しました。Typhoon HIL の環境が整っていれば、実機を準備する必要がなく、
デバッグのための準備時間もほぼゼロで対応できます。
さらに、自分たちのデスクスペースで作業ができるので、実験室に行く手間も削減できるようになりました。
-Typhoon HILを利用する前と後の印象を教えてください。
平良さん:
利用する前は、HILS は難しそうだという先入観があり、設定などもハードルが高いと思っていました。
ところが実際に使ってみると意外に難しくなく、1 日ほどで基本的な操作や設定ができるようになりました。
インターフェース(I/F)部分が分かりやすく、モデル設定もスムーズに行えたのが大きいです。
組み込みソフトにかかわる部署内のメンバー全員が HILS を使っていて、ヘルプなども
一般的な回路シミュレータより充実していると感じています。
月岡さん:
そもそもパワエレ自体を勉強しながらHILSを触ったため、HILSがどのようなイメージかもわかりませんでした。
Typhoon HILを触ってみて段々と便利さがみえてきました。パワエレをTyphoon HILを利用しながら学びました。
パワエレの制御学習には最適だと思いました。
実際の社内でのHILS使用風景
-HILS を使ってみて良かった点を教えてください。
平良さん:
まず、納期面で大きな変化がありました。Typhoon HIL を導入する前と後では、数か月単位で違いが出ています。
現在では Typhoon HIL を使わずに制御デバッグを行うことは考えられません。
主に制御デバッグ時に活用していますが、アンチワインドアップ処理のデバッグや電気角周波数 4kHz を超える試験、
キャリア周波数 70kHz を超える制御デバッグにも利用しています。
また、マイコンのデバッグを行う上でも有用です。実機ではエラーで停止してしまうような領域でも、
HILS なら装置を壊す心配なくテストできます。
実機を用意できないような少し攻めた運転領域の試験でも、Typhoon HIL を使うことで安全に検証できる点が非常に助かっています。
月岡さん:
現地で調整がうまくいかない場合、社内で HIL を使って検証を行っています。現地ではどうしても確認が難しい状況でも、
社内に持ち帰って並行して確認ができます。
お客様への影響を最小限に抑えつつ迅速に原因を特定するために、まずは社内で HIL による検証を実施するようになりました。
-現地調整や出荷前に HILS を使ったことで変化はありましたか。
月岡さん:
出荷前の段階で HIL を使ってデバッグを行うので、現地調整にかかる期間を短縮できました。
近年は複雑な制御が入った受託案件も増えていますが、Typhoon HIL を使って事前にバグを洗い出せるので、
初めて実機を動かす現地調整の負担が格段に減っています。
もし HILS を使わなかったら、制御開発案件によっては現地調整が 1 か月以上伸びる可能性もあったと思います。
平良さん、月岡さん ありがとうございました!
インタビュアー 杉山 勇