納入事例

Typhoon HILユーザー事例(UPS)

Typhoon HILユーザー事例(UPS)

富士電機株式会社

梅沢 一善様、附田 原大様、木水 拓也様

  • Typhoon HIL
  • インタビュー
富士電機株式会社
パワエレシステム エネルギー事業本部 開発統括部  電源機器開発部
(左から)梅沢 一善様、附田 原大様、木水 拓也様

 

富士電機(神戸)様にてTyphoon HILを複数台導入

HILSを活用して大規模UPS試験の自動化を目指す

 

富士電機株式会社 神戸工場は、創業以来パワーエレクトロニクス製品及び配電盤の開発・製造拠点として
高度なシステム応用製品を世に送り続けています。無停電電源装置(UPS)の試験になぜTyphoon HILを導入したのかインタビューを行いました。

 

 -電源機器開発部ではどのようなお仕事をされているのでしょうか。

電源機器開発部は、データセンター向けのメガクラス(1.5MVA)から企業向けの小型(1kVA)までの無停電電源装置(UPS)、太陽光発電向けの大規模(1000kVA)パワーコンディショナ、商業施設用(100kVA)燃料電池向けのパワーコンディショナなどの製品開発をしており、我々はそれらを対象とした、電力変換器の制御ソフト、制御基板、周辺回路などの設計・開発を行っています。

 

 

 -Typhoon HILを知ったきっかけを教えてください。

業務において初めてHILSを導入したい思いがグループ内でありました。そこでインターネットで検索をかけたところ、ヒットした一つがMywayプラスが販売しているTyphoon HILでした。5社の企業をリストアップし、カタログを見たり、仕様・性能などについて打ち合わせを行いました。Mywayプラスは製品の仕様を黙秘せずに答えてくれたことが良かったです。

 

 

 

”回路シミュレータや実機試験では開発工程の短縮に限界を感じた”

 

 -Typhoon HIL導入前の課題を教えてください。

もともと業務でPSIMを利用していましたが、PSIMなどの回路シミュレータでは、制御と主回路のモデルにおいて系統事故をさせたり複雑なシミュレーションを行おうとすると1日以上かかってしまうことがあり、シミュレーション時間をもっと短くしたいという思いがありました。

 

ソフトのデバッグに関してもシグナルジェネレータなどと制御基板を組合せて実施しており、主回路の模擬ができませんでした。また実機が出来上がってから、本格的にソフトのデバッグを実施しており、バグが見つかった場合修正に時間がかかり、開発の工程が長期化する傾向がありました。

 

実機試験時に意図的に事故を起こすとヒューズが切れたり、素子が壊れたり、時には火が上がる可能性もあるため激しい試験はできず、そのための部品不具合や異常モードなど部品故障時の特性試験を実施することが何より大変です。UPSの並列運転時の特性評価にて製品の大容量化に伴い試験場所の負荷準備、維持、人員、費用など制約が多くなってきたことが課題でした。

 

 

 

”Typhoon HIL導入の決め手は応答性と使い勝手”

 

 -Typhoon HILの導入の決め手は何ですか。

一番の決め手はシミュレータの性能です。他社との比較検討の際、性能を重要視していました。シミュレータへの要求事項として1μsの応答性があり、それを満たせるシステムはTyphoon HILでした。波形制御、高速保護機能などにより実機に近い特性で検証する必要があったため1μs以下の応答は有効でした。当社(富士電機)の製品は3μsで作られているためシミュレーターがそれより遅かったら原理が合わなくなってしまいます。また、他のシミュレーションツールはDSPやFPGAなど分離されていているため、Typhoon HILはそのような分離がなく使い勝手が良かったのも決め手の一つです。

 


 

海外向け大容量無停電電源装置

 

 

 

 -どのような主回路モデルを構築されていますか。

現在はUPSの主回路モデル(単機、並列)を主に構築しています。UPSの更なる大容量化に向けて、Typhoon HILの3並列接続による、UPSの並列シミュレーションを進めています。また設備の関係上、できない挙動の確認など、システムとしてシミュレーションしたい内容がたくさんあります。今後、PCSについてもモデル化していく予定です。系統側の擾乱を起こしたり停電させたり短絡させたいなどやりたいことは多々あります。

 

 

 

”大型実験設備からデスクスペースへ、試験の大幅な効率化”

 

 -HILSを使ってよかったところは何ですか。

制御装置の挙動を容易に確認できるようになり、ソフトのデバッグがやりやすくなったことです。また、実機試験で再現しづらい条件についてもシミュレーションによる動作確認がある程度可能であり、実機試験で動作条件を作る手間が減りました。実機を準備する前にシミュレーションで動かして、”こういう動きだ”と確認が取れることはメリットです。

 

   

  デスクで制御装置のデバッグを行う附田様   

 

  ラックに搭載したTyphoon HILと制御装置を机の下に収納   

                  

 

 

 -作業時間や人数に変化はありましたか。

大きく変わりました。まず試験の規模が大きいため、安全規格上2人以上で作業しなければいけません。装置を2人で準備して立ち上げを行い、設計や周囲に指示、他にもちょっとした再現試験を作ったり、場所が確保されていないため太いケーブル敷設をしてもらったりすると、ざっくり1週間くらいはかかります。

Typhoon HILだと簡単に立ち上げてスムーズに着手できます。モデルを作成する際には少し手間取りましたが、モデルがあれば最低2人で1~2週間かかっていたところが半日~1日でできます。装置を使用できる日時や製品試験の調整など、スケジュールの調整も要らなくなりました。

 

 

 -将来的にはTyphoon HILをどのように活用したいですか。

ソフト検証を行う際にHILSを更に活用した試験ができないかと考えています。Typhoon HILは、自動試験用のスクリプトが記述できるため、夜間の自動試験やソフト修正後の再試験に活用できます。人がどんなに苦労してコードを書いてもせいぜい1日30ケースほどしかできないため、退勤してから夜間に1000ケース以上HILSで作成できることが理想です。人がやるよりは早い上、再現性も良いため今後は自動試験用のスクリプトを構築したいと考えています。自動化以外にも、電源機器の故障解析や部品劣化の分析技術開発にも活用する予定です。

 

 

 

梅沢様、附田様、木水様 ありがとうございました!

インタビュアー 杉山 勇

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